はまたいせい (浜大青) 

学名  Isatis tinctoria
日本名  ハマタイセイ
科名(日本名)  アブラナ科
  日本語別名  マタイセイ、ホソバタイセイ、エゾタイセイ
漢名  菘藍(シュウラン, sōnglán,すうらん)
科名(漢名)  十字花(ジュウジカ,shízìhuā)科
  漢語別名  歐洲菘藍(オウシュウシュウラン, ōuzhōu sōnglán)、板藍根(バンランコン,bănlángēn)
英名  Dyer's woad, Pastel
2007/04/19 薬用植物園   「ホソバタイセイ」Isatis tinctoria L.」と表示
2007/05/03 同上
2007/05/26 同上 2024/05/25 同左 

 北海道・千島・樺太・ウスリー・朝鮮北部に産するものは、かつて独立種ハマタイセイ(エゾタイセイ) Isatis yezoensis とされ、西方原産の Isatis tinctoria はホソバタイセイと呼ばれた。今日では、どちらも広域分布種ハマタイセイ Isatis tinctoria の変異内として理解する(『改訂新版 日本の野生植物』)。  
 タイセイ属 Isatis(菘藍 sōnglán 屬)には、ユーラシア・北アフリカに約30-90種がある。

  I. brevipes(Pachypterygium brevipes;短梗厚壁薺)
新疆・中央アジア・イラン産 
  I. costata(三肋菘藍)
 内外蒙古・シベリア・中央アジア・南ロシアに分布
  I. gymnocarpa(Tauscheria lasiocarpa;舟果薺)
         
歐洲ロシア・中央アジア・イラン・ヒマラヤ・内外蒙古産
  I. minima(小果菘藍)
 イラン・パキスタン・中央アジア・新疆に分布 
  I. multicaulis(Pachypterygium multicaule;厚壁薺)
モンゴル・新疆・中央アジア・イラン産 
  I. oblongata(I.tinctoria subsp.oblongata;長圓果菘藍)
        
 中国(遼寧・内蒙古・甘肅・新疆)・蒙古・シベリアに分布
  ハマタイセイ(マタイセイ・ホソバタイセイ・エゾタイセイ) I. tinctoria
         (I.tinctoria var.yezoensis,I.yezoensis,
         I.oblongata var.yezoensis;菘藍・板藍根)
    タイセイ var. indigotica(I.japonica, I.indigotica;草大靑・菘藍・大靑)
        『中薬志Ⅰ』pp.291-295、『中国本草図録』Ⅱ/0585。
  I. violascens(I.emarginata;寛翅菘藍)
 中央アジア・新疆産
   
 アブラナ科 Brassicaceae(十字花 shízìhuā 科)については、アブラナ科を見よ。
 『本草和名』大青に、「和名波止久佐、一名久留久佐」と。
 『延喜式』大靑に「ハトクサ」と。
 学名の indigo については、タイワンコマツナギを見よ。
 英名の dyer は、紺屋(染物業者)、woad は(植物としての、また染料としての)大靑。
 pastel は、後期ラテン語のホソバタイセイ pastellum の転訛。
 イタリア・バルカン・ルーマニア・ウクライナ・歐洲ロシア南部・小アジア原産。中世ヨーロッパでは染料植物としてさかんに栽培され、広くユーラシア各地に帰化。
 日本には、享保
(1716-1736)年間に中国から江南大靑の名で渡来(『本草綱目啓蒙』12藍)。絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)。
 薬用・染料用については、アイの誌を見よ。 

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